県内で十数年前から目立ち始めた高齢者による万引の増加傾向が近年、一段と強まっている。
かつては少年非行の代名詞だった犯罪だが、県警のまとめでは、2007年に少年(14〜19歳)と高齢者(65歳以上)の摘発人数が逆転した。12年は高齢者が少年の約1・5倍にまで膨らんだ。
県警によると、高齢者の万引が増加した背景には、少子高齢化の進行に加え、長引く不況による生活困窮があるという。独居化が進み、「孤独感」が心理的な要因になっているとの指摘もある。
県警のまとめでは、1998年の摘発人数は少年1232人、高齢者372人だった。その後、両者の差は徐々に小さくなり、2007年に高齢者(729人)が少年(657人)を上回った。10年は少年のほうが多かったが、11年に再び逆転した。12年は少年570人に対して、高齢者は843人を数えた。
化粧品や衣類、書籍など嗜好(しこう)品を狙う傾向が強い少年に比べ、高齢者は食料品に手を出すのが特徴だ。12年は食料品を盗んだケースが75・5%を占めた。
曜日別では平日の火〜木曜の発生が目立つ。時間帯は午前9時〜正午に集中している。これに対し、少年の犯行は学校帰りなどに当たる午後3〜9時が中心となっている。
こうした実態を受けて県警は28日、県内の大型スーパーなどの担当者を集めて会議を開き、防犯対策を協議する。県警生活安全企画課の担当者は「万引対策を警察と県、店舗が連携した総合的な取り組みにしたい」と話している。